事例紹介

Case

八王子オクトーレ

八王子オクトーレ

施設が持つ本来の価値の最大化。
地域の方に必要とされる施設へ。

変革の必然性と直面した壁

本施設の運営をスタートしたのは、2020年4月1日。まさに新型コロナウイルス感染症の流行が急速に拡大する最中でした。運営開始直後、緊急事態宣言の発令により即座の休館を余儀なくされるという、極めて困難な船出となりました。
しかし、地域の方々の暮らしを支える「ライフライン」としての責任を果たすべく、私たちはわずか1か月後に営業を再開する決断を下しました。その後の年末にかけてコロナ禍の影響は深刻さを増し、2年近くにわたり退店が続くなど、テナント様共々厳しい状況を強いられました。
コロナ禍による人流の変化やテナントの入れ替わりを経て、私たちはひとつの大きな転換点に直面します。それは、不要不急の外出制限により「目的のない来店」が激減したことで、従来のテナント構成のままでは、八王子に根差した施設として存続することは難しいという判断でした。ここから、私たちは従来の運営にとらわれない『地域密着型』の再生へと大きく舵を切ることになったのです。

地域に根付く、目的をもった来店を狙う施策

私たちは運営開始当初から地域に根付いた運営を目指していたため、この困難な状況をチャンスに変えるべく、お客様が「目的を持って」定期的に足を運んでいただける施設づくりに着手しました。特筆すべき戦略として、通常はロードサイド(幹線道路沿い)にしか出店しない郊外型の大型テナントを誘致したほか、学習塾など地域ニーズの高い店舗に積極的に入店してもらうことで、施設の役割を再定義しました。

また、固定費が経営を圧迫していた課題に対し、過剰になっていたコスト構造を徹底的に細分化して見直すことで、物件運営のスリム化を断行しました。

こうした変革を推進したのは、他の商業施設運営者と比較しても若い運営メンバーたちです。彼らは、既存の常識や発想に捉われない柔軟な視点を活かし、課題の本質を見抜く問題提起を行うとともに、その解決に向けたスピード感のある実行力を発揮しました。

縦型構造のポテンシャルを活かした空間デザイン

建物中央を1階から12階まで貫く開放的な吹き抜けは、この施設の大きな特徴です。昨今の商業施設が横へと広がりを見せる中、縦型の施設では上層階への回遊が課題となることも少なくありません。私たちは、この吹き抜けを単なる構造の一部ではなく、施設全体を一つの空間としてつなぐ「縦に伸びるコミュニケーションライン」と捉え直しました。

かつては噴水だった1階の象徴的な場所をステージへと改修し、アップライトピアノを設置。ストリートピアノとして来館された方が自由に演奏を楽しめる「交流の場」を設けたことで、心地よい音楽が吹き抜けを通じて全館へと響き渡り、上層階までを含む施設の一体感を生み出しています。

現在では、YouTuberによる演奏やプロミュージシャンを招いたイベントも開催されています。縦方向の広がりを逆手に取り、音楽を通じて人と人を結びつけることで、かつて噴水だった場所は、今や施設全体に賑わいと安らぎをもたらす中心地となっています。

総力で挑む物件再生。安定運用がもたらす信頼

私たちの強みは、営業から契約、工事、運営までをグループの総力で完遂する「一気通貫の体制」にあります。各社の専門的知見を最大限に活かし、一つひとつの物件と真摯に向き合うことで、着実に施設を再生・成長させてきました。

かつてコロナ禍の最中には、稼働率が70%を割り込む苦難もありました。それでも私たちは諦めることなく、テナント様や地域のニーズを捉えた運営を目指して尽力し続けました。その結果、現在は稼働率97%という高い水準まで改善し、長期的に安定した運用体制を確立しています。この成果を礎に、私たちは持続可能な価値創造拠点を目指し、進化し続けていきます。

施設情報
施設名称 八王子オクトーレ(八王子スクエアビル)
所在地 東京都八王子市旭町9-1
交通アクセス JR中央線「八王子」駅徒歩2分
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下3階付地上13階建
竣工 1994年2月
貸床面積 3,035.75坪(10,035.52㎡)

STAFF VOICE

2020年4月に運営会社が変わり、直後にコロナ禍に見舞われました。その後2〜3年は非常に苦しい時期となりましたが、その時の苦労こそが、現在の八王子オクトーレの礎を築いたといっても過言ではありません。私自身、商業施設運営は未経験ながらも、数々の困難を乗り越えてきたことで大きく成長できたと実感しております。今後とも、八王子オクトーレが地域の皆様をはじめ、多くの方々に愛される施設であり続けられるよう、より一層尽力してまいります。